安くしかも早く印刷が出来ると言われているオンデマンド印刷は、専用の印刷機を使って印刷データを出力する印刷手法で有り、製版処理が不要になるため、安く早く印刷物の製作が出来ます。印刷品質においても、オフセット印刷に近い印刷表現が可能な印刷機も登場しており、クォリティーも求められるケースが多くなっています。オフセット印刷の場合、製版処理が必要になるので、印刷物が完成するまでには時間を要しますし、印刷部数が少ない場合は1部あたりの印刷単価は割高になります。それ故に、ある程度の印刷部数が必要とならない場合、メリットが活かされません。
これに対し、10部や100部と言った小ロット印刷で印刷物を製作したい時など、オンデマンド印刷では製版処理が不要になる分、印刷コストを下げられると言うメリットを持ちます。製版処理はフィルム製作や刷版製作などの処理で有り、印刷部数が多くなることで製版処理の費用を印刷物1部に対して割り当てて行く事が出来るので、部数が多くなればなるほど1部当たりの単価は低くなるわけです。ですが、10部や100部と言った小ロットでは印刷コストは高額なものとなってしまうと言う事になります。オンデマンド印刷は3000部などの大ロットになった場合、オフセット印刷での印刷コストと逆転してしまい、割高になります。
そのため、チラシを50部だけ印刷したい、簡易的なパンフレットを500部だけ急いで作りたい時などは、オフセット印刷よりもオンデマンド印刷の方が印刷期間やコストにメリットが出て来ます。